お出かけ日記ANNEX

お出かけ日記(https://ameblo.jp/porori-h/)の別館です。

3/21(土) 濃厚!大人の広島平和学習の旅 2日目~その3~

 広大跡地の東千田公園を抜けて、日赤病院前から宇品行きの電車に乗ろうと思います。被爆建物である旧広島文理科大学本館は、相変わらず堂々と公園の中に建っていますが、公園を囲む道路沿いには次々と建物ができて、公園が少し狭くなった印象です。でも、街の中にこんな広い場所があるのは、とても幸せなことだと思います。


 完全にノープランで電車に乗ったのですが、宇品の桟橋に着いてもプランがひらめかないのでした。



 旧京都市電の車両に乗って宇品に着いたのですが、さて、どうしたものか。というのも、我々が着いた15:30という時間は、ここから船に乗って出かけるには中途半端な時間です。どこにも行けないわけではないのですが、着いてできることは限られています。
 だったら、ここでしかできないことをすればよいのです。広島みなと公園まで歩き、公園内にあるミルキー鉄男のかき小屋へ。そこそこお腹はいっぱいなのですが、おやつの時間にします。


 店に入って店員さんの説明を聞いていると、彼が「うわぁ!」と大きな声を上げました。何事かと思ったら、知り合いが店内にいるというのです。しかも、それが広島の人ではなく、埼玉の人だというからびっくり。なんという偶然でしょう。世界は狭いものです。
 炭火で牡蠣を焼きながら、ビールはもうだいぶ飲んだので、私は賀茂泉のワンカップをすすります。なにも足さない、なにも引かない。こうやってシンプルに牡蠣をいただけるのは、最高の贅沢です。


 店に出て、今日も風呂へ行くかと聞いてみると、着替えを持っていないので一旦ベースキャンプに戻りたいと言います。電車でベースキャンプのひろしま国際ホテルに戻ると、朝から歩きまわったせいか、休憩しているうちに眠ってしまいました。決して、朝から飲んだくれているからではありません(注.意見には個人差があります)。
 外が薄暗くなった頃、目を覚まして出発。立町でバスを待っていると、防災行政無線から花ぐるまのメロディが流れてきました。


「これ、何の曲でしたっけ?」
と言われたのですが、花ぐるまは5月の連休に行われるイベント、ひろしまフラワーフェスティバルのテーマ曲。きっと知らないはずだとおもうのですが、防災行政無線のチャイムというだけで、どこかで聞いたことがあるような気がしてきます。
 広電の4号線のバスは、就職前に保育園で実習した頃に毎日乗った路線です。段原あたりの景色は、その頃と比べてだいぶ変わりましたが、東雲あたりは昔の面影がまだ残っていて、懐かしくなります。
 市工の裏を通って、半べえ温泉へ。そうだ。この道は亡き恩師と最後に歩いた道。お寿司をごちそうになった後、この道を通って一緒に半べえ温泉に行ったのでした。


 その日、何か特別なことをしたわけではありません。一緒にお風呂に入って、一緒にビールを飲んだ。でも、先生とそんな時間を過ごせたことを思い出すと、今でもとても幸せな気持ちになるのです。 先生というのは、何かを教えることももちろん大事ですが、教え子にとって、この人は自分の味方でいてくれると信じられる、そんな存在になることも大事だと思います。そして、そんな先生にこれまで何人も出会えた私は幸せだなあと、つくづく思うのです。
 今日は風呂上がりのビールは飲まずに、再び4号線のバスで市内へ戻ります。東雲本町あたりは以前とすっかり変わっていて、気分は浦島太郎。まったく別の街に来てしまったかのようです。
 さあ、夕飯は何にしようかと考えたとき、食べたいものが浮かびません。魚介類が好きな彼に、海鮮が食べたいかと聞いてみたのですが、朝から海鮮なので魚介類はもういいと言います。
「じゃあ、広島の汁なし担担麺はどうだい?」
 そう提案して、スマートフォンで調べると、大好きな舟入のきさく間もなく営業時間終了。他にも面白そうなお店は、土曜日休業または営業時間終了。
 ですが、ベースキャンプ近くに一軒見つけました。やれやれ、助かったと思って行ってみたのですが、店の照明はすでに消えています。インターネットの情報よりも時間は早かったのですが、どうやらこちらも営業時間終了のようです。
 こうなると、どうしても担担麺を食べないと気が済みません。さらに調べて、キング軒なら近くに見つかりました。東京にもあるお店ですが、彼は行ったことがないと言うので、まあ、いいでしょう。花椒をたっぷりとふりかけて、広島の味を堪能するのでした。


 彼は、キング軒でも缶ビールをごくり。そしてベースキャンプに戻ってからも、また飲みに出かけると言います。
「こ……、これが若さというものなのか……」
 私は、さすがにパス。部屋の鍵を彼に預け、ベッドに潜り込み、気がついたら夢の中にいたのでした。