お出かけ日記ANNEX

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7/31(土) 初めてのお遍路 酷暑の四国一周の旅1日目

 広島に住んでいた頃、四国は大好きなツーリング先の一つでした。瀬戸内海をフェリーで渡ったり、原付ならしまなみ海道で渡ったりして四国を走っていると、必ず近くの札所を案内する看板が目に入ります。お遍路さんという文化があることはもちろん知っていましたが、その頃の私は88か所もの寺を訪ねるということに全く興味がありませんでした。

 しかし、私が大好きなテレビ番組「水曜どうでしょう」で四国八十八ヶ所を巡る旅を見てからというもの、「『お遍路で四国を巡ったことがない』ということは、旅を好む者としてどうなのだろう」と考えるようになりました。

 というのも、以前、世界のディズニーパークを巡る旅をしました。初めての海外旅行で、職場の同僚の皆さんとフロリダのウォルト・ディズニーワールドを訪れたのは2014年1月のこと。それに味を占めた私は、翌2015年の旧正月香港ディズニーランドへの弾丸ひとり旅を敢行しました。

「このままいけば、海外パーク全制覇もできるんじゃないか?」

 ディズニーパークがあるのは東京、フロリダ、香港の他、カリフォルニアとパリ、そして上海です。単純に考えて、あと3回海外に行けば達成できます。

 そこで、2017年夏にカリフォルニア、2018年末に上海、2019年末にパリのそれぞれのパークを巡り、海外パーク完全制覇を達成することができました。

「まさに聖地巡礼だなあ」

 そう思った私でしたが、日本で最も有名な聖地巡礼である四国巡礼、いわゆるお遍路さんをやったことがないのです。

「日本の巡礼の旅も体験せずに、海外パークの巡礼を自慢することはできない」

 そこで、2021年夏。コロナ禍の東京でオリンピックが開催されるのに合わせて、お遍路の旅を計画しました。オリンピックで混み合う東京を抜け出そうと考えていたのですが、7月12日(月)から東京に4回目となる緊急事態宣言が発出され、遠出をすることが憚られる状況となってしまいました。

「このまま計画通り四国へ行くべきか、行かざるべきか」

 そう悩んでいたところへ、お遍路の旅とは別に、四国から東京まで荷物を運ぶという用事が舞い込んできたのです。このご時世、胸を張って「旅行に出かけます」とは言いにくい状況ですが、楽器の運搬という大義名分があれば話は別です。そこから、計画の見直しが始まりました。

 当初の計画では、徳島空港でレンタカーを借りて寺を巡るつもりでした。しかし、荷物を運ぶのであれば、自分の車で四国まで行く必要があります。ならば、どうやって四国まで行くかです。高速道路はつながっているので、自走で行くこともできますが、体力的に一番楽なのは、東京から徳島までフェリーで行くことです。しかし、それなりにお金がかかります。その金額を考えれば、途中でどこかに1泊して美味しいものを食べるというのも面白そうです。

 こうして、荷物の運搬を名目とした夏の四国の旅が計画されたのでした。

 

 休暇はしっかりと取れたので、いつ出発してもよいのですが、8月1日(日)に鱧のフルコースを食べさせてくれる宿を確保できたので、これを中心に予定を組むと、7月31日(土)の夕方に自宅を出発し、四国へ向かうことにしました。

「せっかくだから、それっぽいところから出発したいなぁ」

 水曜どうでしょう「原付日本列島制覇」では、四国へ向かうのに羽田から出発していました。だったら私も、羽田を出発地とすることにしましょう。18:55、羽田空港の近くで写真を撮ってから出発です。

 せっかく羽田まで来たので、蒲田で黒湯(温泉)に入ることにしましょう。JRの駅にほど近いゆーシティ蒲田で入浴してから、西へ向かうことにします。

 まずは、行けるところまで下道で行くことにします。国道15号線は、走っている車は多くないものの、流れはよくありません。信号に何度も引っかかりながら少しずつ進むうちに、これでもか、これでもかと、睡魔のヤツらが私に襲いかかってきます。

 最初のうちは、ラジオをかけたり窓を開けたり、体を伸ばしたりすることでやり過ごすことができます。けれども、時間が遅くなってくるにつれて、ヤツらの方が優勢になってくるわけです。

「も、もうダメだ」

 そう思ってコンビニに駆け込んだのは、日付が変わった0:04の小田原手前でのこと。セブンイレブンのコーヒーで生き返り、さらに先を目指します。

 0:28に箱根峠を通過。箱根の麓から20分ほどで峠を越えてしまうなんて、普段なら考えられません。深夜だからでしょうか、それとも緊急事態宣言が出ているからでしょうか。

 下道で走るのは、午前4時まで。高速料金の深夜割引が使える間に高速に入って、少しでも節約したいものです。

 深夜のバイパスは車も少なく、とても走りやすいのですが、どうしても眠たくなります。幾度となくコンビニの駐車場に車を停めて、体を動かさないと耐えられません。このままどこまでも走っていきたいところですが、事故を起こしてしまっては何にもなりません。安全第一、体力と相談です

 もうすぐ午前3時というところで、本日の試合終了を宣言します。天竜川を渡って右に曲がり、東名高速の浜松ICへ。幸運にも、IC手前のガソリンスタンドで思ったよりも安く給油することができました。これからの長旅では、何度も給油していかなければなりません。1円でも安い方ところで入れて、費用を抑えたいものです。

 ガラガラの東名高速を走って、3:14、浜名湖SAに到着。ここで仮眠をとって、明るくなったらまた、先を目指すことにしましょう。何しろ、旅はまだ、始まったばかりなのです。