お出かけ日記ANNEX

お出かけ日記(https://ameblo.jp/porori-h/)の別館です。

8/6(金) 初めてのお遍路 酷暑の四国一周の旅7日目~その1~

 朝6:15にゲストハウスを出発。すると、ゲストハウスのすぐ横に野良猫が座っていました。そういえば昨夜、ひろめ市場から戻ったときにも、まるで猫の集会所のように何匹もの猫が集まっていました。


 駐車場に行くときに、とさでん交通路面電車が平面交差するはりまや交差点を通ります。ダイヤモンドクロッシングと呼ばれ、線路が十字に交差するだけでなく、この交差点で曲がる電車もあって、平日の8:12頃にはこの交差点の中で3両の路面電車が交差し合うトリプル・クロスに出会うことができるらしいのです。これはぜひ、また高知に来て、見なくてはなりません。


 国道56号線沿いのマクドナルドのドライブスルーで朝マックを買い、車内で朝ごはんにします。私が店舗から国道戻ると、後ろから軽のワンボックス車が猛烈な勢いで迫って来るのが見えました。すぐ先の赤信号で直進レーンの一番前で停まると、ワンボックス車は隣の左折レーンに入り、青信号に変わると、また猛烈な勢いで走り去っていきました。
「無茶するなぁ」
 そう思いながら走っていると、他の車も走っているのですぐにこちらも追いつきました。人生とはそういうもの。精一杯急いだつもりでも、そんなに先に進むことはできないのかもしれません。
 須崎からは高知道の無料区間を利用します。本当はどこまでも無料で連れていってほしいところですが、無料で解放されているのは途中で建設が終わったところなのでしょう。変なところで下道に下ろされてしまいました。それでも、東京周辺の混雑からしたら天国です。国道だって、首都高速なんかよりずっと流れている方かもしれません。
 車は四万十町に入りました。
四万十町ってどこだろう?」
と思って調べてみると、2006年以前の地名は窪川町だったと分かって、ようやく納得できました。平成の大合併のメリットというのもあるのでしょうが、私にとっては、地名がわからなくなってしまったのは大きなデメリットです。


 37番岩本寺に着いてみると、仁王門前の石段に英語の文章がずらりと書かれていてびっくり。確かに今の時代、どの寺にも簡単な英語の案内があり、どこ何があるかくらいは書かれていますが、こんなところに、こんなにたくさん英語でメッセージが書かれているのを見ると、まるでここが日本ではないような気がしてきます。


 境内では、鉢植えの蓮が見事な花を咲かせていました。そういえばこんなに近くで蓮の花を見たことは初めてかもしれません。
 ここは山の寺ではありませんが、駐車料金は300円。納経所でちゃんと納めます。
 再び国道56号線を走ります。次の札所は足摺岬にある金剛福寺。37番岩本寺と38番金剛福寺の間は、100km弱もあります。途中で楽しみを見つけながらいきましょう。
 ツーリングマップルに、「朝からカツオのタタキが味わえる」と書かれていた道の駅 なぶら土佐佐賀」へ立ち寄ります。ここの売店で、安芸市の旅館で勧めらた美丈夫の純米酒を発見。嬉しい出会いです。


 カツオのタタキは、奥のレストランで食べられるようです。
「道の駅だから、たたきは冷蔵庫から出して提供されるのかな?」
と思っていたら大間違い。ちゃんと客の前で藁焼きしてから提供されるようです。


 こうなったら、頼まないわけにはいきません。塩たたきを注文し、一緒に、はらんぼというカツオのトロにあたる部位も注文しました。


 まず、たたきは香りが素晴らしく、しっかりとした味です。はらんぼは、鰹のいい香りとたたきでは味わえない濃厚な味わいが楽しめます。


 こういう時、車でなければ当然、一杯やりたいところですが、車を運転していると不思議と酒が欲しくなりません。オートバイでいろいろまわっていた経験もあるのでしょうが、自宅まで自力で無事に帰り着かなければならないという意識が常にあります。事故を起こしては、無事に帰ることができません。飲酒運転などもってのほか。酒を飲んだ時点で、無事に帰れる保証はなくなるのです。もちろん、事故を起こせば相手を傷つける可能性だってあります。そうなれば、旅どころではないのです。
 中村には、水曜どうでしょうファンにはおなじみのうどん屋さん、いろりやがあります。本当は11時の開店まで待って、ここで昼食とするつもりだったのですが、台風が接近しているせいで風が強くなってきました。雲行きも怪しくなってきています。この先の天気も心配なので、今回いろりやは断念して、先に進むことにしました。


 四万十川を渡り、足摺岬へ向かう国道321号線に入ると、とうとう雨が降ってきました。そういえば、室戸岬に向かうときも雨でした。私が岬に向かうと、雨が降るのかもしれません。
 左に四万十川を見ながら走ります。メディアで紹介されるときの映像から、四万十川は山の中の清流というイメージが強いのですが、当然、川としての終わりがあります。四万十川は最後、四万十市で太平洋に注ぎ込むのです。この河口もまた美しいのですが、こんな天気の日に写真ではその美しさは伝わりません。やはり、実際にこの目で見るために旅をするのです。


 国道321号線は走りやすい道なのですが、私の前をパッカー(ゴミ収集車)がブロックします。センターラインの色が変わったところで追い越しをかけたいのですが、先がまったく見えないので、追い越すことができません。仕方なく、後ろをついて走ります。
 土佐清水の町を過ぎれば、岬へ続く県道は、まるで血の果てのような道。立ち寄るような店もなく、ひたすら前へ進みます。唯一ラッキーなのは、雨が上がったこと。でも、風は驚くほど強く吹いているのが走っていてもわかります。
「いい話と悪い話がある、ってやつかな」
 ともあれ、これ以上天気が悪くならないことを祈りつつ、間もなく足摺岬に着こうとしていたのでした。