お出かけ日記ANNEX

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8/8(日) 初めてのお遍路 酷暑の四国一周の旅9日目~その2~

 大阪府京都府の境のである天王山トンネルでも配信が始まりました。そこから京都での配信が終わらないまま、車は滋賀県に入りました。そろそろ休憩を取ることにして、大津SAに立ち寄ります。
 建物に向かうと、
「あれ? ヒッチハイク……?」
と、けいぴゃんが声を上げました。建物前の道路脇に、「長野方面」と書かれた段ボールを掲げた男性が力なく座っています。コロナ禍のうえ、この真夏の強烈な日差しの下、なぜか裸足で靴もサンダルも履いていない男性。思わず、大丈夫かなあと心配になってしまいました。


 建物の向こうには、遠くに琵琶湖が見えます。それを見たけいぴゃんが、
「瀬戸内海より大きいんじゃないの?」
と言うので、
「そんなこと言ったら、瀬戸内の人に怒られますよ」
と言ったのですが、よくよく考えてみればけいぴゃんの実家は香川県の丸亀。思いっきり瀬戸内の人でした。
 大津SAに立ち寄ったのは、551蓬莱の豚まんが目当てです。


「食べられるかなあ」
 明石で玉子焼きが全部食べられなかったけいぴゃんは心配そうでしたが、そろそろお腹が落ち着いていたのか、1個ペロリと食べていました。


 名神高速道路を進むと、次は岐阜県に入ります。社会科が苦手というけいぴゃんには、「天下分け目の関ケ原」と言ってもピンと来ない様子。
那須 与一は……、関係ない?」
と言うけいぴゃん。関ケ原の合戦よりも、源平の屋島の戦いの方がマイナーではないかと思ったのですが、平家物語にも那須与一は登場することから、国語の方でご存知だったのかもしれません。
 車は順調に走っていきます。渋滞がないのは、このコロナ禍の数少ない良いところかもしれません。
 中央道に入り、カーナビの地図を指して、
「この線が県境ですよ。次はどこでしょう?」
とちょっと意地悪っぽく言ってみます。
「さっきは岐阜から愛知だったから……、静岡?」
 残念。実はもう一度、岐阜県に入るのです。
 恵那山トンネルを抜けると、次は長野県に入ります。
「初長野です!」
と、恒例の生配信が始まりました。そりゃあ、西日本から東京へ行くのであれば、わざわざこちらのルートを選びません。しかし、けいぴゃんは帰りも別の方の車で丸亀へ戻ると言います。だったら、その時に通らないであろうルートを選択するのは当然のことなのです。
(意見には個人差があります)
 長野県に入ると、雨が降り始めました。
「私、晴れ女なのに……」
 残念そうにそう言う彼女が本領を発揮するのは、その後のこと。向こうの山には虹が架かり、地面までしっかりと七色に輝いています。みるみる天気も回復してきました。


 途中、岡谷ICで高速道路を下ります。
「一体、いつになったら東京に着くのか?」
と、そろそろ思われているかもしれません。
 そもそも、丸亀から東京まで車で楽器を運ぶだけなら、運転ができる人なら誰でもできます。しかし、その道中をいかに楽しむかということが大事だと思っています。計画段階からけいぴゃんとそんなやり取りをして、今回のツアーとなったのです。
 温泉好きなけいぴゃんを、私が大好きな下諏訪温泉へとお連れします。温泉の手前にある諏訪大社下社秋宮の参道の風景が気に入ったというので、神社にも寄ることにしました。


「いいですねぇー」
 拝殿を眺めたけいぴゃんが声を上げます。アンティークなものが好きなところとも共通するのでしょうか。
 遊泉ハウス児湯で温泉に入った後は、すっきりさっぱり。ここの湯はけっこう熱めなのですが、湯上がりの爽快感は格別です。窓を全開にすると、標高が高いせいもあり、入り込んでくる乾いた風がエアコンの風よりもずっと心地よく感じられます。


「よし。東京へ向かうぞ!」
 時刻は19時前。まっすぐ東京まで走っても夜には着くのですが、今日は甲府に宿を取っています。東京へは、明日のけいぴゃんのライブ前に着く予定なのです。
 諏訪ICから中央道に乗ると、夜空にうっすらと八ヶ岳が見えました。長野県と山梨県の県境での配信がなかったのは暗くなってきたせいでしょうか。
「もう配信、やらないのかな?」
と思っていたら、甲府昭和ICで高速道路を下りてから配信開始。
「一体どんな人が視聴しているのやら」
と思っていると、けいぴゃんのピアノの師匠がご覧になっていたようです。それを見つけると、まるで電話で話しているかのように、一方的にしゃべり倒していました。
 20時前、甲府のビジネスホテルに到着。チェックインのときに、
「まだこの辺で食事ができますか?」
と聞くと、
山梨県には緊急事態宣言は出ておりませんので、大丈夫です」
と言われました。きっと同じことを聞く客が他にもいるのでしょう。荷物を置いたら、すぐに出かけます。
 フロントで紹介されたお店は、銀座江戸家。もちろん東京の銀座ではなく、甲府のメインストリートの銀座通りのことのようです。そういえば、ホテルの前の道は旧甲州街道。このあたりは、昔の甲府の中心地だったのでしょう。


 まずは無事の到着を祝してビール。それから、甲府ということで、日本酒「七賢」をいただきます。


 お通しの煮物は上品な味つけです。川エビの唐揚げも鳥もつ煮も酒が進みます。しかし、とどめを刺されたのがホタルイカの一夜干し。こういったもので、酒飲みは完全にやられてしまうのです。


 甲州の味を堪能してからホテルに戻ってテレビをつけると、オリンピックの閉会式で橋本 聖子が長々とあいさつしていました。いつの間に眠ってしまったのは、運転のせいでも酒のせいでもなく、あの長いあいさつのせいだったことにしましょう。