お出かけ日記ANNEX

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9/12(日) 2回目のお遍路 秋のうどん県寺巡りの旅2日目~その2~

 郷照寺から県道に出たところに、こだわり麺や宇多津店がありました。チェーン店ですが、この時間から開いているのはありがたい。せっかく香川に来たのです。やはり、うどんを食べなくては始まりません。


 しょうゆうどんを注文すると、290円。薬味は載せ放題で、生のすだちも用意されているではありませんか。当然、うどんは美味しいのですから、さすがはうどん県と唸るほかありません。


 店内には、「価格改定のお知らせ」が貼られていました。原材料の値上げにより、9/16から値上げとなるようです。その値上げ幅は、うどん全品10円とのこと。それでも安い。つくづく、うどん県の食文化がうらやましくなります。


 次の札所、79番天皇寺を目指して県道33号線を走っていると、フロントガラスに雨粒がつくようになりました。先月、四国を回ったときは、毎日晴天続きで傘を使わずに済んだので、今回もできれば傘を使わずにまわりたいところです。
 天皇寺に着くと、寺の入り口に鳥居が立っています。三輪鳥居という、明神鳥居の両脇に鳥居を持つ珍しい作りです。後で調べると、この鳥居のくぐり方というのがあったらしいのですが、そこまで調べていなかった私。恭しく、敬意を払って鳥居をくぐることにします。


 というのも、ここ79番天皇寺高照院は、水曜どうでしょうファンにはおなじみの曰く付きの札所。怪奇現象が起きた場所として有名です。失礼があってはなりません。
 鳥居をくぐって正面には、崇徳天皇を祀る白峰宮が鎮座しています。この神社の建物に対して、天皇寺の方の本堂と大師堂は、ずいぶんと小ぢんまりとしているのです。


「不思議なお寺だなぁ……」
 当然のことながら、何ら怪奇現象も起きることなく無事に納経していただき、次の札所へと向かうことにします。
 80番国分寺は、四国の阿波、土佐、伊予のそれぞれの国分寺と同じく、四国八十八ヶ所霊場の一つになっています。4か国目の国分寺ですが、伊予国国分寺はまだ訪れていないので、達成感はありません。


 仁王門を入ると、本堂までまっすぐに道が続いていました。さすがは国分寺といった風格を感じる佇まいです。しかし、最盛期の国分寺はこんなものではなく、巨大な金堂や、京都東寺の五重塔よりも高かったと推定される七重塔があったと考えられています。昔の国分寺は、ただのお遍路の札所でなく、社会の中心であったはずなのです。


 しかし、学校で習う歴史は、宗教の部分はずいぶんと削ぎ落とされてしまっているように思います。宗教的に中立というのは大切なことではあるのかもしれませんが、日本史にしろ世界史にしろ、歴史上の出来事や時代の流れを理解するうえで、特定の宗教の影響力を無視することはできないのです。


 本堂へお詣りした後、大師堂へ向かいます。ここの大師堂は、納経所とセットになっているようです。大師堂の前で掃除をしていた女性にあいさつをすると、
「ご用があったら呼んでください」
とおっしゃったので、お詣りを終えてから納経をお願いすることにします。どこの札所でも、このコロナ禍でお遍路さんが少ないのか、納経所でお遍路さんを待ち構えているというよりは、札所の人を呼ぶといったことが多いような気がします。
 ともあれ、寺巡りはいったんお休み。せっかく四国うどん県に来たのですから、うどんやさん巡りもしてみたいところです。国分寺の近くには、がもううどんという有名店があるのですが、本日日曜日はあいにく定休日。次に行く予定の札所、66番雲辺寺までの途中にも有名店の山越うどんがありますが、こちらも定休日です。
「どこかにうどんやさんはないかなぁ……」
ツーリングマップルで探してみると、山内うどんというお伊勢が見つかりました。早速、カーナビに住所を入力し、向かってみたのですが、現地近くに着くと、駐車場は見つかったものの、店らしき建物が見当たりません。
「なくなってしまったのかなぁ……」
 そう思っていると、林の中を登っていく細い道を登っていく車があるではありませんか。
「そこか!」
 こうして、山の中の小さなうどんやさんに出会うことができたのでした。


 店の外には、薪が山積みになっています。県観光協会のサイトで調べると、「薪で焚き、おいしい水で締めるうどんと、特製のイリコダシが絶品だ。」と書いてありました。


 かけは、あつあつ、ひやあつ、ひやひやの3種類。まるで合言葉のように、並んだ客がお店の人に伝えます。私はあつあつ(小)を注文。海老の入った天ぷらが美味しそうだったので、それも注文してみました。


 まずは、透き通った出汁をひと口いただきます。
「う、うまい……」
 出汁は塩辛さがなく、甘みすら感じます。できれば、これだけ湯呑みに入れていただきたいくらいです。うどんに対して出汁が少ないんじゃないか、もっと入れてくれと言いたくなるくらい、確かに絶品です。
 そして、うどんがまたうまい。小麦のうま味というのでしょうか。嫌な味が一つもしないのです。
 余計なものは何もない、シンプルなうどん。しかし、それだけで十分にうまいと感じさせるこの一品。うどん県にはまだまだうまいうどんがあることに気づかされた瞬間でした。