お出かけ日記ANNEX

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9/13(月) 2回目のお遍路 秋のうどん県寺巡りの旅3日目~その2~

 今回の四国の旅で楽しみにしていたのが、山越うどんのかまたまうどんです。以前、2018年8月にけいぴゃんとピアノニマスさんのライブを聴きに四国へ来たとき、クッキーハウスのツネおにいさんと一緒にうどんやさん巡りをしたのですが、このときに山越うどんへ行くと、お店はたまたま臨時休業。有名店のうどんを食べられなかったという苦い経験があります。今回はそのリベンジなのです。
 お店が開く9時に間に合うように到着。開店前ということで、店のすぐ近くの駐車場に停めることができました。店に向かい、開店10分前に列に並ぶと、私の順番は前から10人目。これなら、すぐに食べられそうです。定刻の数分前に列が動き出し、店内に入ることができました。


 注文するのは、もちろんかまたまうどん。山越といえば、これでしょう。会計が済むまでかき混ぜないようにお店の人に言われたので、席に着いてから一気にかき混ぜます。


 まずは、しょう油をかけずにそのまますすると、モチモチのうどんにたまごの甘みが合わさってとても美味しいのです。そこへしょう油をかけると、今度は味が変わって、これまた美味。2つの味が楽しめるのが、なんとも嬉しいのです。
 しかし、こうなってくると、この旅はうどんやさん巡りなのか、それとも寺巡りなのか。旅の目的が分からなくなってきます。
 そろそろ東京に戻ることも考え始めなければなりませんが、次回の旅のためにも、今日はできるだけたくさんの寺を巡っておきたいところです。綾川のイオンモールのところから国道32号線出て、83番一宮寺を目指します。
 一宮寺の駐車場を見つけ、車を停めます。歩き始めてしばらくして、自分が寺から少し離れた駐車場に車を停めてしまったことに気づきました。
「もう一度戻って、車を動かそうか……」
 そう思ったのですが、この駐車場から寺まで続く田んぼの中の道がとても気持ちよいのです。目には鮮やかな緑、耳には水路を流れる水のせせらぎが飛び込んできます。時折スイーッとトンボが目の前を横切り、水面にお尻をつけては、またどこかへ飛び去っていきます。都市部ではほとんど見られなくなってしまったこんな風景がまだ、ここにはちゃんと存在しているのです。


 寺に入ると、こちらはどうやら裏手だったようで、表の仁王門へとまわります。こちらは、隣にある田村神社の白い壁が続き、落ち着いた雰囲気です。この寺の周りの風景は、なんと美しいのでしょう。


 寺では、若い女性の方が納経帳に朱印を押してくれました。お遍路の札所では、どうしても年配の方に書いていただくことが多かったので、なんだか新鮮とてもです。もちろん、他の札所と同様に達筆で書いていただくのですが、あいにく学のない私には、何と書かれているのかわかりません。
 駐車場までの帰り道に、さっきはなかった大きな鳥の足あとが続いているのに気づきました。サギでも歩いていたのでしょうか。田んぼのカエルでも捕まえたのかもしれません。人が暮らすすぐ隣で、様々な生き物たちが生活しているこんな環境こそ、豊かな環境ではないかと思うのです。大自然とはまた違った、身近な自然環境も大切にしなければなりません。


 83番一宮寺から82番根香寺へ向かう途中に、高松自動車道の高松西ICがありました。
「このまま東京に戻ろうかなぁ……」
 東京までの道のりを考えると、どこで区切りをつけるかが悩みどころ。でも、五色台にある2か所の寺をまわっても2時間ほどでしょう。それなら、どこかで渋滞してもかかってしまう時間です。
「よし。五色台を巡ったら、東京に戻ろう」
 そう覚悟を決めて、五色台へ上がる県道180号線に入ります。狭いながらも豪快に山を駆け上がっていく道で、ふと、多摩の丘陵地帯にあった大学へオートバイで通っていた頃のことを思い出しました。それが、私の山道好きの原点かもしれません。
 根香寺の前の駐車場に車を停めて歩いていくと、仁王門の前に人が集まっています。聞こえてきた話の内容は、この寺について、どのように案内するかということのようです。そんなことを考えるのは、観光協会教育委員会の人たちでしょうか。まさか学校の先生たちが、遠足や修学旅行の下見でここまでは考えないでしょう。


 門をくぐって石段を下り、再び寺に向かって石段を上ります。うっそうと茂っているようにも見える緑ですが、よく見ると、きちんと手入れをされているようです。自然をそのまま生かしながら、それをうまく利用していく。これも、古くからの日本人のよさでしょう。


 山のあちこちから、まだセミの声も聞こえてくるのですが、鐘楼の前には萩が濃いピンク色の花をつけていました。


「ああ、秋だなぁ」
 いつまでも残暑が続いているように感じますが、季節は確実に進んでいるのです。

 同じ五色台にあるもう一つの札所、81番白峯寺は、崇徳天皇の御陵があるところ。崇徳天皇というと、なんとなく身構えてしまうのは私だけでしょうか。失礼があってはいけません。まずは、御陵前の頓証寺殿にごあいさつをしてから、本堂、大師堂と巡っていくことにします。


 山の中の寺を訪ね、木々の緑や季節の花を愛でるのは気持ちがよいものです。こういった空間に身を置くのは、悪くありません。寺というと、古めかしいお堂と古い仏像、そして墓場と、何となく暗いイメージが強いのですが、そればかりではありません。心落ち着く場所でもあるのです。