お出かけ日記ANNEX

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3/20(金) 濃厚!大人の広島平和学習の旅 1日目~その3~

 本日の平和学習はここ、原爆ドームでとりあえず終了。そうなると当然、打ち上げが必要です(注.意見には個人差があります)。
「じゃじゃじゃじゃあ、ホルモンの天ぷら、行くかい?」
「行きます」
 返事はYesかハイに決まっているのですが、そんなやり取りを交わしてから、再び電車に乗るのでした。


 福島町で降りて北に歩き、何度か来たことのあるお店を目指します。記憶を頼りに歩いていくと、ちゃんとお店に辿り着きました。
 どうしてこんな書き方をするのかというと、今回、お店の中に貼り紙を見つけたからです。無断で写真を撮らないこと、勝手にSNSにアップしないことなどを呼び掛ける注意書きがありました。もしかすると、それでトラブルがあったのかもしれません。なので、今回は店の名前も写真もナシにしておきます。
 お店の人に「ビールもらいまーす」と断って、冷蔵ケースからビールを取り出し、栓を抜きます。春本番の暖かさの中、テクテクと歩いた体には最高のご褒美です。
 野菜は、アスパラガスとなす。大きめのアスパラガスはほっこり柔らかく、なすは甘みがあって、どちらもとても美味しい。
 お目当ての内臓肉は、正直、どこの部分の何を食べているのかはわからないのですが、どれも美味しい。テーブルの上の包丁で切って、片っ端からいただきます。ビールが進むのは、肉の旨味のせいか、それとも揚げ物だからか。もしくは、唐辛子を入れたタレがそうさせるのか。でも、間違いなくこれらの相乗効果で、さらにビールがうまくなっています。だから、たまらずビールと天ぷら肉を追加で注文。
「ほら、やっぱり足りんじゃろ?」
と、お店のおばちゃんに言われますが、嫌な顔ひとつ見せず、「さっきは何食べたっけ?」と確認しながら、用意してくれます。
 一見、入りにくいお店であることは確かです。愛想がいいわけでもないから、ぶっきらぼうに感じる人もいるかもしれません。けれど、実は面倒見がとても良くて、温かい店。ここで紹介できないのは残念ですが、ぜひ、ご自身であのうまさを体験していただきたいところです。


 天気もよく、気持ちがいいので、近くの太田川放水路の土手に上がります。川の向こうに街が広がって、さらにその向こうには山が連なる。広島なら、どこでも見られる風景。いや、こんな風景は、山が見える場所ならどこでも見られるかもしれません。けれど、私にとっては、広島の川の風景はまた、特別なものに感じます。「ああ、帰ってきたな」と、懐かしくなる瞬間なのです。
 そのまま市内に戻っても良いのですが、飲んだ後のラーメンは格別の味わい。
「広島のラーメン、食べに行くかい?」
「行きます」
 またもそんなやり取りをして、思い出の一杯を食べに行くことにしました。ここからは少し離れた場所にあるので、タクシーを捕まえたいところですが、なかなか通りません。天満町あたりまで歩いて、平和大通りの側道で暇そうにしていた1台に、
「江波の陽気まで、お願いできますか?」
と声をかけると、
「今日、やってますか?」
と運転手さんに訊かれました。しめた。ちゃんとわかっている運転手さんです。これから行こうとしているお店の定休日は曜日では決まっていなくて、毎月1,12,13,26日がお休み。何曜日であろうと関係ありません。
「さっき調べました、大丈夫です」
と伝えて、向かってもらいます。
 運転手さんは、はじめは標準語で話していたのですが、こちらが広島に住んでいたことを伝えると、そこから広島弁全開での広島トークがさく裂。新型コロナウイルスで外国人観光客が来ない、プロ野球の開幕延期でカープ目当てのお客さんも来ない、年度末だというのに、歓送迎会も軒並み中止で飲食店に行く人もめっきり減ったと、景気の悪い話ばかりなのですが、運転手さんの軽妙な広島弁のせいで、なんだか前向きな気持ちになれるから不思議なものです。もっとも、東京人で広島は2回目だという彼には、方言もトークの内容も、とてもついていけないものだったと、後で話してくれましたが。


 陽気の前でタクシーを降りると、すでに豚骨スープの匂いが漂っています。中に入り、「2つ」と注文してから席へ。彼も気に入ったらしく、うまいうまいと言いながらあっという間に平らげてしまいました。私には懐かしい広島のラーメンを気に入ってもらえたのは、素直に嬉しいところです。


 タクシーの運転手さんは、「帰りはUBERがいいですよ」としきりに勧めてくれました。
「アプリをダウンロードして、このクーポン使えば割引きになるけぇ」
といって、小さなカードをくれる程に積極的。もしかすると、タクシーもUBERで走るのでしょうか。でも、ちいたろう軍団はこういう時、基本は公共交通機関に乗ります。それに、陽気から江波栄町のバス停はすぐそばです。


 しばらくすると、緑の広電バスがやって来ました。何も考えずにそのまま乗り込むと、一緒に待っていたはずの二人のご婦人が乗ってきません。我々二人を乗せると、バスは扉を閉めて発車しました。
「しまった!」
 実はこのバス停に来るバスは、行き先が二通りあって、ホテルがある市内に行くには、牛田早稲田行きに乗らなければなりません。
「もしかして、江波営業所行きって言ってた?」
「はい、言ってました」
 江波営業所行きは、この先しばらく行くと終点です。
「ごめん。江波からまた電車に乗り換えるから」
 知っている場所だからと、つい油断していました。気を引き締め直して、さらに旅を進めていきます。