お出かけ日記ANNEX

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5/1(土) 松山・広島・うさぎ島 瀬戸内まんきつ海の旅1日目~その1~

 4月30日(金)、大型連休を前に菅首相は記者会見で、「不要不急の行楽、帰省を控えていただきたい」と語りました。ここで「旅行」と言わなかったのは、なぜでしょう。自分がGo To トラベルの旗振り役だったからでしょうか。ともかく、連休中に広島行きを計画していた私は、「旅は不要不急にあたるのか」と考えてみました。

 旅をしなければいけないという理由がないことからいえば、不要不急であると言えるでしょう。しかし、今しかできないこともある。そう考えれば、不要でも不急でもありません。

 では、何が不要で何が不急か、それは政府や他人が決めることでなく、自分自身が決めることです。状況を見て、適切に判断することが大切だと思います。結局、宿のキャンセルができるギリギリまで検討した結果、旅を決行することに決めました。

 さて、今回は羽田空港を午後に出発する便を予約しているので、急いで空港に行かなければいけない理由はありません。

「不要不急のリムジンバスは控えよう」

 こういったところは適切に判断して、電車を乗り継いで羽田空港まで行くことにします。リムジンバスより時間がかかるといっても、びっくりするほど違うわけではありません。それでいて、運賃はリムジンバスと比べるとだいぶ安いのです。しかも、今日は土曜日。座ってしまえばこっちのものです。

 地方空港の多くは市街地からのアクセスが悪く、地元の人なら、空港まで車で行ってしまった方が楽です。私も、広島に住んでいた時はよく、そうしていました。

 そんな空港だと、旅行者の多くはバスに頼らざるを得ないのですが、羽田空港というアクセスの良さは日本屈指の空港を利用するのに、ついつい電車でなくバスで行ってしまうというのは、なんとも贅沢な話です。

 羽田空港向かう京急線の車内では、スーツケースを持った人の姿も見かけます。やはり連休ということで、飛行機で出かける人も一定数いるのだということがわかります。緊急事態宣言下であっても、必要な移動はあるのです。

 出発の2時間半前に羽田空港に到着。1本早い便にだって余裕で乗れる時間ですが、私は空港で過ごす時間が大好きなのです。

 何はともあれ、まずはお昼ごはん。久しぶりの第1ターミナルなので、いつもは来ることができないドトールコーヒーショップ羽田空港店に向かいます。ここのジャーマンドックは他店とはひと味違うものだと聞いていたので、試してみることにしました。この時間だとランチセットがあるらしく、対象のドック類を注文するとドリンクが50円引きになるとのこと。嬉しいサービスにつられて、サワーピクルスなんていう普通の店にはないメニューを注文すると、フードコートでお馴染みのベルスターを渡されました。なるほど、少々時間がかかるようです。

 席に座って待っていると、キッチンの端にある鉄板のところからボイルされたソーセージを焼き上げるジューという音がして、いい香りが漂ってきます。これだけでも十分なごちそうなうえに、味はもちろんパーフェクト。

「これでビールがあればコスパ最強なのに……」

 緊急事態宣言下で酒類の提供が終日ないのが残念ですが、ここは仕方ありません。酒類の提供が再開された、またぜひ来ることにしましょう。

 お土産を買ったら、さっさと保安検査場を抜けてパワーラウンジへと向かいます。ラウンジの大きな窓からは、JALのB6、B3、A350……と、青空の下、真っ白い機体がまぶしく輝いています。しかし、南側からは黒い雲が広がっていて、これから天気が崩れるのかもしれません。

 コーヒーを飲みながら、前回の大分旅行の記録をまとめます。旅の間隔が1週間というのは、楽しいが辛い面もあります。というのも、旅の記憶が上塗りされてしまうのです。この羽田空港で過ごす時間も、大分の旅と今回の旅の印象が重なってしまいますが、幸いにも先週はANA利用だったので、ターミナルが別だったのは怪我の功名です。

 そろそろラウンジを出て搭乗口へ向かおうという頃には、ますます空が暗くなっていました。ゲート前の椅子に腰掛けて搭乗開始を待っていると、どうやら降ってきたようです。窓から見ると、あっという間に地面が濡れていきます。風も強いようで、窓に雨粒が当たるようになり、やがて当たった雨粒が流れるほどになりました。

「ちゃんと飛ぶかなぁ」

 飛行機の運航には、強い風はあまりよくありません。それでも、B滑走路と呼ばれるRWY22からの離陸機が、国際線が発着する第3ターミナルの上で旋回するのが見えます。このルートは、羽田空港の新ルートの一つ。着陸機が低い高度で都心上空を飛行すると話題になった羽田空港の新ルートですが、離陸機の新ルートもあったのです。

 増便に向けて整備された新ルート。コロナ禍で航空需要が縮小しても、活用されているようです。まさに新しいスタンダード、マスク生活と一緒かもしれません。

 飛行機への搭乗開始は、予定より少々遅れたようです。機内に入ると、

「使用する飛行機の到着が遅れたため……」

というアナウンスが流れます。この飛行機は南紀白浜から飛んできて、次は松山へ飛ぶようです。息つく間もないような飛行機の運用に、「タフだなぁ」と思わずにはいられません。

 JAL437(JA333J)は定刻15:40のところ、15:46にスポットを離れて出発しました。

「ずいぶんと遠くまで走るんだなあ」

 飛行機はターミナルと整備工場の間を抜け、左に第2ターミナルの駐機場を眺めながら延々と走ります。それもそのはず、着いたところはRWY 22の一番端。

「ここから飛ぶの、初めてだ」

とワクワクしていると、滑走路上で停まったままなかなか動きません。きっと着陸機があったのでしょう。

 離陸したのは16:05。スポットを離れてから20分もかかっていたのには少々びっくりしましたが、どうにか無事に空の旅が始まったのです。