お出かけ日記ANNEX

お出かけ日記(https://ameblo.jp/porori-h/)の別館です。

3/22(日) 濃厚!大人の広島平和学習の旅 3日目~その1~

 二人ともぐっすりと眠って、起きたのは朝9時。彼を起こして、「こんな時間だ!」と、二人で大笑いです。
 今日は11:00に平和記念資料館前で約束をしているので、それまでに朝ごはんを済ませておかなくてはなりません。
 とりあえず、荷物をまとめてチェックアウト。最終日の広島の街へと、繰り出すのでした。


「G線に行こう」
 紙屋町にあるツバイG線は、広島の老舗の喫茶店。中に入ると、いかにも昭和な雰囲気の店内が私には心地よいのですが、平成生まれの彼にはどうでしょうか。でも、心配は無用。今時珍しくなった喫煙可能な店内で煙草をやりながら、モーニングが運ばれて来るのを待っているくらい、この場に馴染んでいるのですから。きっと彼は、今すぐ昭和にタイムスリップしたって生きていけることでしょう。いや、昭和に限らず、彼の環境への適応能力の高さであれば、いつの時代のどこに放り込まれたって、逞しくやっていくに違いありません。


 10:00過ぎに店を出て、平和公園へ向かいます。原爆ドームのところでは、ボランティアの方が観光客を相手に何やら説明していました。


 近くへ行って聞いてみると、ちょうど広島が原爆投下目標として選ばれた理由について話しているところ。彼がお父さんから与えられたミッションそのものです。もちろん、彼は今日までの間に学んできたこと。
「やっぱりそうなんですね」
と確認していました。
 戦争は、非常に計画的なものであり、政治的意図が絡んだものです。攻撃するにしても、行き当たりばったりではなく、検討し、作戦を立ててから実行に移されます。
 アメリカが広島を選んだ理由はいくつかあり、最終的に第一目標となります。そして、8月6日の天候により、3つの攻撃目標のうち、最終的に広島が選ばれ、投下されました。
 でも、それらはすべて、広島に暮らしていた人にとってはまったく関係のないこと。いかなる理由があったとしても、無防備な市民の頭上に落とすことを正当化することはできないでしょう。
「それが戦争なんだ」
と言ってしまえばそれまでですが、その時、その場所にいただけの人々を無差別に傷つけることが許されるはずがありません。もしそれを認めてしまえば、誰もが常に身の危険と隣り合わせで生きていかなければならなくなります。
 ボランティアの方の話は、まだまだ終わりそうにありません。ほどほどで切り上げて、資料館の方へと歩き出します。


 旅に出た時点では21日までの休館の予定でしたが、昨日の時点でさらに延長されました。残念ながら、今回は資料館を見学することができませんが、落ち着いたらまた、来ればよいのです。その日が一日も早く来るように、願わずにはいられません。
 平和大通りを渡り、広島市立高女原爆慰霊碑のあたりに喫煙所を見つけ、煙草タイムをとります。私は吸わないので全く分からないのですが、吸う人にとっては、トイレと同じように必要な時間のようです(注.意見には個人差があります)。最終日の平和学習は、この後11:00から。それからしばらく、煙草はお預けなのです。
 彼はきっと、もう私が何かお膳立てしなくても、自分で見つけて、自分で気づいていくことができます。例えば、この慰霊碑には、「E = mc2」という、原子力エネルギーの公式が刻まれています。彼はそれを見て、さらに説明書きを読んでから、
「原爆の字が使えないって、どういうことですか?」
と、疑問をもつことができる。社会科なら、100点満点をあげたいところです。
 GHQのプレスコードなんて、きっと知らないことでしょう。原爆について、広島・長崎について調べていくと、原爆について伝えることが許されなかった時代にぶつかります。この石碑には、その当時の事情が表されているのです。
 学ぶということは、そういうこと。気づいたり、見つけたりすることで、その先のことがまた、見えてきます。彼が学ぶその姿勢を、私も見習わなければなりません。
 向こうから、青い軽自動車が走ってきました。
「あ、Hさんだ」
 大丸ロケッツでもお世話になったHさんに、今日の平和学習の講師をお願いしていたのです。平和について考え、学び、行動してきたHさんから学ぶことはきっと多いはずだと考え、3月12日に広島行きの話が出たとき、すぐに連絡したところ、年度末の繁忙期にもかかわらず引き受けてくださいました。
 土谷病院そばのコインパーキングに車を停めたところで、Hさんと合流。今日は奥さまもご一緒です。挨拶をすませ、
「じゃあ、とりあえず、平和公園を一緒に歩きましょうか」
と、出発しました。
 そういえば、私もHさんと平和公園を歩くのは初めてです。彼と同じように、私も一緒に勉強させていただくつもりでついて行くことにします。