お出かけ日記ANNEX

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9/11(土) 2回目のお遍路 秋のうどん県寺巡りの旅1日目~その1~

 緊急事態宣言が9月末までさらに延長となり、街にも閉塞感が漂っていました。テレビや新聞では、暗く重たいニュースばかりが流れています。いろいろ八方塞がりだと感じながら毎日を過ごしていると、すべてをかなぐり捨ててどこかへふらりと出かけたくなるものです。

 元々は、9月の休日を使って、飛行機で四国のお遍路の続きをするつもりでした。しかし、緊急事態宣言の延長に伴い、泣く泣くキャンセルしたのです。現在の感染状況を考えれば、「週末に飛行機で四国に行ってきた」とは言いにくいところ。しかし、自分の車で行くのであれば、少しは感染対策ができるかもしれません。

「こうなったら、四国へでも行ってしまうか」

 北海道や沖縄、海外とは違い、四国なら橋でつながっています。ちょうど土・日・月と3日間が使える週末。

「四国まで辿り着けなかったら、途中で戻ってくればいいや」

という軽い考えで、車で四国を目指してみることにし、14:30頃、自宅を出発しました。

 ところが、車で20分ほど走ったところで、自宅にお風呂セットを忘れてきたことに気づきました。ここから取りに戻ると、少なくとも往復で40分のロスとなります。

「戻るべきか、行くべきか……」

 結局、40分がもったいないと思い、どこかで購入しようと考えて先へ進むことにしました。

 ようやくこれが大きな間違いだということに気づいたのは、都心部に近づいていたとき。自宅に戻らないのであれば、40分以内で店を探して、買い物を済ませ、元のルートに戻らなければならないのです。しかも、それは高速道路に乗るまでに完遂しなければならないミッションなのです。

 地方や郊外ならまだしも、自宅から東名か首都高の入り口までの間に、道路沿いに広い駐車場があって、レジにもあまり並ばず、確実にお風呂セットが手に入る店など、あるわけがありません。気づいたときには、時すでに遅し。後は、都心部から離れた住宅地が広がるあたりまで出るか、川崎や横浜の郊外を目指すしかなさそうです。

 ふと、大田区大森駅近くにイトーヨーカドーがあったことを思い出して向かったのですが、うっかりイトーヨーカドーの手前で曲がってしまいました。ぐるりともう一度回るのも面倒で、そのまま先へ行くことにします。

「そういや、東邦医大の近くにお店があったなぁ……」

 マチノマ大森の中のダイソーでどうにかお風呂セットを買い揃えた時には、40分どころのロスではなくなっていました。さらに、その中の入っていたマツモトキヨシで石鹸を買おうとすると、レジは長蛇の列。急いては事を仕損じるということなのでしょう。

 東名東京ICを目指して蒲田から環八に入ったものの、道路がとても混んでいます。すぐそこに見えている交差点を渡るのに、2回も3回も信号待ちをしなければなりません。それが、1か所では済まないのです。土曜の夕方、みんなどこへ向かっているのでしょう。私のように、東名高速を目指している車ばかりではないはずです。

 途中でコンビニエンスストアに寄ってノンアルコールビールを購入し、100円で購入した保冷バックに入れておきます。この先のSAで買うあじの唐揚げと一緒にいただく予定なのです。

 結局、東京ICから東名に入ったのは、自宅から3時間もかかった18時前。こんなことなら、40分をケチらずに自宅に戻り、首都高に乗れば良かったと思うのですが、それも後の祭り。自分の選択の結果なのですから、黙って受け入れることにします。

 雲の合間にオレンジ色を散らしたような夕焼け空に向かってひたすら走っていきたいところですが、流れはあまりよくありません。渋滞しているとまでは言えないものの、車列の速度が一定でなかったり、遅い車がいつまでも右側車線を走っていたりして、すこぶる走りにくいのです。

 それでも、18:05に海老名SAに到着。いつもは午前中に来るからそう思うのかもしれませんが、夕方の下りの海老名SAはガラガラで寂しい限りです。かろうじて仲間とどこかに出かけるらしい若者のグループが談笑しているのを見ると、どこかホッとします。以前はいくらでも見られた光景ですが、コロナ禍ですっかり見られなくなってしまいました。

 ともあれ、東名高速を走るときのお楽しみ、あじの唐揚げを買い求めます。これが、なんともビールが欲しくなる味なのです。しお味の他に、期間限定というわさび醤油味を買い求めます。お店の方が「すぐ食べられますか?」と言って、奥からまだ温かい揚げたてのものを出して、紙袋に入れてくれました。

 車に戻り、ノンアルコールビールとともに頭からかぶりつきます。程よい油っぽさがあじの魚臭さをうまく中和して、何匹でも食べられそうです。この瞬間に、東名を走っているんだと強く実感します。

 御殿場JCTからは新東名に入ります。あたりはすっかり暗くなり、周りに何もない新東名を走っていると、見えるのは道路とそこを走る車ばかり。その車も、うんと少なくなりました。法定速度の120km/hで気持ち良く走ることができます。

「このまま、どこまでも走れるんじゃないかな」

 そんなことを考えながら、先へ先へと走っていくのでした。